プライマリーバランスとは何か? | 桜内ふみき 公式サイト

プライマリーバランスとは何か?

もともとFacebookに投稿していた動画とその解説記事ですが、原因不明ながら先月に続き今月もアクティビティログごと消失するという事件がありました。アルゴリズムの問題だと思いますが、時間をかけて書いた記事が消失してその原因も不明ということでは、Facebookを信用することはできません。

2日近く経ってなぜか復旧しましたが、今後はWordpressに記録した上でFacebookに投稿する形に改めようと思います。


2025年度にプライマリーバランスを黒字化する「財政健全化目標」について、積極財政派と財政再建派との間で意見が割れています。報道によれば、5月26日の自民党政調審議会で互いに譲歩した提言案が了承されたとのことですが、本当のところ、プライマリーバランスについてどう考えるべきなのでしょうか。

僕自身は、年度ごとのキャッシュ・フローのコントロールを過度に重視するプライマリーバランスによる財政健全化目標は撤廃すべきだと考えています。もちろん財政運営の健全性や安定性も忘れてはなりませんが、歳入面での国債発行か増税かといった財源論にのみ焦点が当たると、プライマリーバランスを黒字化すべきか否かといった正解のない迷路に入り込んでしまいます。

実は、財源よりも使い道をどうするかの方が大切なのです。政府による歳出の内容は、会計的に大きく2つに分類されます。(1) 資産計上できる公共投資(資本的支出)に該当するか、あるいは(2)公務員人件費や社会保障関係費等の消費(収益的支出)に該当するか、そのいずれかによって政府の貸借対照表上の資本(貸方)として計上される金額も異なってきます。

そして、公会計においては、政府が保有する「資産」として認められるためには、(a)将来的な利回り(リターン)として政府に対するキャッシュの流入が見込まれる「将来の経済的便益(future economic benefits)」または(b)政府以外の経済主体に対するキャッシュの流入の増加あるいはキャッシュの流出の減少が見込まれる「サービス提供能力(service potential)」のいずれかの性質を有することが求められます。

一国経済全体の資本、すなわち国富を増大させるためには、上記の2つの歳出内容のうち、(1) 資産計上できる公共投資(資本的支出)を増加させることが必要です。従来型のインフラ整備等の公共事業だけでなく、研究開発投資、人材への投資、防衛力の強化等への歳出を増やすべきだと考えます。

財源についても心配御無用です。公共事業の大きな金額を占める土地の買収については、従来のようなキャッシュ(歳出)による買収ではなく、政府の資本としてのマネーである「交付国債」でキャッシュを使わずに買収することが可能です。「交付国債」は最終的に必ず日銀が保有することになりますが、買収した土地の価格が裏付け(担保)となるので、日銀の財務の健全性も確保できます。副次的にマネーストックも増大するので、デフレ脱却に向けての効果も期待できます。

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